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手打蕎麦と天ぷら @ てんしょう庵(本庄)



最初にお断りしておきますが、
この蕎麦処は探しても絶対に見つからないと思います。
店じゃあないので(笑)。
私の祖母の姉の一族の実家ですから。
現当主の典昭(だから、てんしょう庵ね。)さんは、
私の父とは従兄弟にあたるわけなんですが、
退職なさるあたりから蕎麦打ちに目覚めてしまったのでした。
大概、男性のリタイア組のそば打ちは、
下手の横好きと相場が決まっているのですが、
元々が名人クラスの釣り人であったりしたとか、
畑で野菜を作っていたりしたとか、
必要なセンスはあれこれともちあわせていらしたので、
あれよあれよという間に上達してしまいまして、
下手な蕎麦屋も真っ青の上級者になってしまわれました。
身内の贔屓というわけではなく、
都内の蕎麦屋でも、
打ち手がこの方のレベルにあるお店はどれくらいあるか?
そう考えると残念な蕎麦屋が多い事にガク然としてしまいます。
この方の凄まじいところは、蕎麦を打つためだけに家を改造して、
蕎麦打ちの場所を作ってしまったこと。
まあ、それだけならよくある話なんですが、
土台の基礎工事から、大工仕事は全部自分でしてしまったのだとか。
こうなると、もう脱帽するしかありません。
ただし、お嬢さんには美味しいけど飽きたと文句を言われていますが。
そりゃあ、来客の度に必ず蕎麦じゃあさあ。
ともかくも蕎麦は平時は二八の割合で打っているそうで、
香りとのどごしが両立した、
かなり素晴らしい蕎麦といえると思います。
季節ごとに13種類の粉の中から配合を変えて使っているのだとか。
つゆも独自の研究をされているようですが、
蕎麦の完成度の高さを考えると、まだ若干改良の余地はありそうです。
ですが、江戸蕎麦の辛いつゆを私は好きなので、
このつゆは上品で大人しいからものたりなさを感じるだけで、
美味しさはたしかなものです。
また、今回の天ぷらの魚はさより。
もちろん、ご自分が釣ってきたものだそうですから、
誰しもができることではありませんよねぇ。
珍しいのは緑色の野菜の天ぷら、
これはうどの葉の天ぷらとのことで、はじめての経験でした。
淡白ながら味がのっている面白い野菜でありました。
こちらに伺うと、それはそれは至福のときなわけなんですが、
そのあと、都内で蕎麦屋に行くと、
なおさらひどくがっくりきちゃうことが多いので、
良薬にも副作用はあるということでしょうか。
さすがに、蕎麦ではどうこう太刀打ちができるわけもなく、
かといって教わりに行くには遠いからなぁ…と、言い訳をしておこう。
肴なら、なんとか見合ったものは作れるかもしれないけれど、
しめの蕎麦の印象がすべてだものねぇ。相手が悪いや。
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