| トップページ > 歴史への招待 > THEハプスブルク(ハプスブルク展) @ 国立新美術館(六本木・乃木坂) | ||||
THEハプスブルク(ハプスブルク展) @ 国立新美術館(六本木・乃木坂)

物事を思索する時に、
どうしても日本語と言う思考言語と、
この国ならではの価値観を背景にせざるを得ないんだけれど、
それではどこまでも理解し得ない事はいくつかあると思います。
なかでも中央集権による絶対権力の「強大」さ、
これは日本人にはなかなか想像しにくいところなんじゃないだろうか。
皇族と言うロイヤルファミリーもおわしますし、過去には貴族もいたけれど、
民衆との財力の差と言うのは「たかが知れている」からね。
13世紀から20世紀初頭までヨーロッパに君臨したハプスブルク家は、
そういう意味では絶対権力の象徴的な系譜。
そこに集約した様々なものを、
絵画75点に工芸品を加えた120点で構成した展覧会。
それぞれの価値観に従い見るところは様々でしょうが、
フランツ・クサファー・ヴィンターハルターの、
オーストリア皇妃エリザベートの肖像画だけでも見る価値はあるでしょう。
ノーブレス・オブリージュがそのまま絵になったようでした。
と、まあ固い話はそれくらいにしておいて、
絵画には肖像画が多かったのだけれど、
ここにある多くのものは、
時代背景的には誇張されて美化された肖像画『ではありません』。
この後すぐに、政治的な道具としての肖像画が多くなるわけですが、
この展覧会にあるほとんどはそうしたバイアスの少ない肖像です。
ですから、権力者たちの実像の脈動を伝えているのだと思います。
ハプスブルク家の血統は、政略結婚の繰り返しで版図を拡大した一族です。
その血脈を重視した理念は安定した政治を生んだ反面、
近しいもの同士の婚姻が生み出したマイナス面も多々あるようです。
そのあたりの「狂気」が肖像画に透けて見えるのも面白いところでした。
(オブラートにかけた表現だけれど、何が言いたいかわかるよね。)
なんかねー、3枚ほどの肖像画の前で、
中の人にやたら愚痴をしゃべりかけられたような気がするんだ(笑)。
王族も大変なんだね。
暴走した妄想といえばそれまでなんだけどさ。
でも、ジョルジョーネの「矢を持った少年」の絵と目が合ったとき、
瞬間的に背中に滝のような冷や汗が吹き出し、
手のひらが汗だらけに…。
ここまでゾォーッとしたのは、かなりひさしぶりでありました。
てか、絵の中にあやうくひきずりこまれるところだったんだけれど…
あれにはなにか憑いているんじゃないのかい??
残念ながら日本では生まれ得なかった肌触りを味わうには絶好の展覧会。
西欧の底知れぬ政治の深淵も感じさせてくれるでしょう。
闇の部分はともかくも、
偉い人のあの正装はどう着るものなのだろう?とか、
あの人たちは何を議論しているのだろうとか、
おかしなツボでスイッチが入る人は笑えるものも多々あると思います。
私も、ある絵のなかの人がどうしても奥田民生に見えて笑ってしまいました。
※THEハプスブルク 東京展
国立新美術館
2009年9月25日〜12月14日
観覧料一般1,500円
コメントの投稿
トラックバック
http://mayadh.blog4.fc2.com/tb.php/1325-4dd199bd

